経験シリーズ①:理学療法士のデイサービスでの働き方、機能訓練指導員としての役割

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今回はデイサービスでの理学療法士としての働き方や役割をご紹介します。

病院や老健では理学療法士として働くことになりますが、特養やデイサービスでは「機能訓練指導員」という扱いになります。

機能訓練指導員とは何か?

機能訓練指導員としての仕事内容や役割は何か?

私の経験をもとにご紹介します。

目次

機能訓練指導員とは…

厚生労働省の定義によると、機能訓練指導員とは「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」のことを指します。

機能訓練指導員として働くためには、厚生労働省が定める8つの資格のうちいずれかを持っていることが条件になります。

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 看護師
  • 柔道整復師
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 鍼灸師

これらの資格を有しない者は機能訓練指導員として勤務できません。

機能訓練指導員として勤務する施設は…

  • 通所介護(デイサービス)
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 特別養護老人ホーム
  • 特定施設入所者生活介護
  • ケアハウス

以上5つの施設です。

今回はデイサービスでの仕事内容や役割について解説いたします。

仕事内容

私が働いていたデイサービスでは、看護師3名と理学療法士(私)が1名がおり、機能訓練指導員として常時1~3名の配置となっていました。

看護師はバイタルチェックや服薬、入浴介助などを行っていました。

私は1日20人程度の利用者様と1人5~10分の個別リハビリを行っていました。

個別リハビリは利用者様の状態や希望に沿い、マッサージや機能訓練(歩行や筋力トレーニング)・認知機能訓練などを行っていました。

機能訓練の特化型のデイサービスでは入浴や食事もなく、機能訓練に重きを置いていることもあります。

役割

機能訓練指導員としては、定期的に身体機能の評価を行い記録する役割を担っていました。

機能訓練指導員としての仕事だけでなく、トイレ誘導や食事の提供、レクリエーションへの参加、送迎(付き添い)も行っていました。

人手が足りないときは入浴後の着替えなども手伝っていました。

デイサービスによっては機能訓練指導員も送迎の運転を必須としていることもあります。

やりがい・メリット

病院や施設と違って、ワンフロアでの関わりが主であるため、トイレへの歩行や入浴直後の様子、食事の状態など、全体を観察し評価することができます。

送迎で自宅の環境を見ることもできるため、より生活に沿ったサービスの提供を考えることもできました。

また、私が働いていたデイサービスでは、リハビリ職が理学療法士(私)のみであったため、作業療法士や言語聴覚士の役割を担うこともあり、さまざまな視点を持つことができました。

デイサービスでは理学療法士としての枠にはまらず、色々な経験をすることができました。

デメリット

デイサービスや特養にもよりますが、機能訓練指導員では「資格手当」が出ないこともあります。

また、送迎が必須なこともあるので普通自動車免許を持っている必要があります。

機能訓練だけが仕事ではないため、臨機応変に対応する必要があり、専門性は低いです。

加算の種類

  • 個別機能訓練加算
  • ADL維持等加算
  • 生活機能向上連携加算
  • 口腔機能向上加算
  • 栄養アセスメント加算
  • 栄養改善加算
  • 認知症加算
  • 若年性認知症利用者受入加算
  • 延長加算
  • 中重度ケア体制加算
  • サービス提供体制強化加算

理学療法士が関わる加算としては個別機能訓練加算、ADL維持等加算、生活機能向上連携加算があります。

その3つの加算について簡単にご紹介します。

理学療法士が関わる加算

個別機能訓練加算

個別機能訓練加算とは、機能訓練指導員を1人以上配置することが必須条件となっています。

個別機能訓練加算にはⅠ(Ⅰ(イ)・Ⅰ(ロ))・Ⅱとあり、Ⅰ・Ⅱは併用することが可能です。

利用者一人ひとりに対して、個別機能訓練計画書を作成し、機能訓練を実施後、効果や経過を評価する取り組みに対して加算できるものです。

3ヶ月に1回以上実施し、利用者・ご家族に進捗状況を説明の上、必要に応じて、個別機能訓練計画の再検討を行うものです。

ADL維持等加算

ADL維持等加算とは、利用者の自立支援・重度化防止のために、ADL(日常生活動作)の機能を維持できているかを評価した場合に算定できるものです。

ADL維持等加算にもⅠ・Ⅱとあります。

利用者全員ついて、利用開始月と該当月の翌月から起算して、6ヶ月目において、パーセルインデックス(BI)を理学療法士・作業療法士・言語聴覚士がADL値を測定し、測定した日が属する月ごとに厚生労働省に提出します。

※理学療法士・作業療法士・言語聴覚士に関しては無条件で対象ですが、一定の研修を受けた者でも可能です。

生活機能向上連携加算

生活機能向上連携加算とは、医療提供施設の医師、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)と連携し、自立支援・重度化防止に向けて、介護を推進するために設けられた加算です。

生活機能向上連携加算もⅠ・Ⅱがあります。

理学療法士等からの助言(アセスメント・カンファレンス)を受け、個別機能訓練計画の作成を行います。

機能訓練指導員等は、各月の評価内容や目標達成度合い等を利用者・家族に説明、理学療法士等に報告相談し、理学療法士等と共同で3ヶ月に1回以上必要に応じて計画の見直しを行います。

デイサービスにもよりますが、理学療法士の仕事内容や役割は病院や施設とは全然違います。

専門性を高めたいのであれば病院や施設での勤務をお勧めしますが、多面的な経験をするのであればデイサービスでの機能訓練指導員はおすすめの仕事です。

私は1年目でデイサービスを経験したので、その後の病院・施設での勤務ではその経験を活かして、さまざまな視点を持つことができました。

それでは、また!Fin.📹

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この記事を書いた人

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今までの転職経験や臨床経験で得た知識を発信。
PT11年目/急性期、回復期、介護分野経験済みです。
施設見学16回、面接8回の経験から云えること。
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