今回は私が以前勤めていた、急性期脳外科病院での理学療法士の働き方とその役割についてご紹介します。
急性期脳外科病院では受傷・発症直後の患者様に対してリハビリ介入を行っていました。
『早期介入』が重要であったため、ベッド上での介入も多々…。
突然の発症で動揺する患者様や家族の精神的なフォローも大事な役割でした。
詳しくご紹介します。
急性期脳外科病院とはどんな場所?
私が勤めていた病院は300床未満の救急対応の脳神経外科病院で、脳卒中や外傷による脳血管障害の方が主に入院されていました。
SCUと一般病棟に分かれており、SCUでは脳卒中発症直後の患者様に対し、一般病棟ではSCUから転出された患者様や脳外傷などの患者様に対しリハビリを行っていました。
救急対応病院なので毎日のように新しい患者様がリハビリオーダーされ、多い日では5人以上オーダーが出ることも。
急性期病院のため、検査や治療がメインとなり、リハビリが介入できる時間は限られていました。
理学療法士の働き方とその役割
理学療法士の働き方
1日10人前後の患者様に対し、1日15~18単位のリハビリを行っていました。
治療や検査、入浴などの予定と被らないようにリハビリを行う必要があり、常に時間との闘いでした。
患者様本人の体調を検査結果などから読み取り、リハビリの強度を考えて介入する必要があり、色んな知識を要しました。
常に病棟は人手不足であったため、シーツ交換や体位変換、オムツ交換の手伝いもリハビリとして行っていました。
理学療法士の役割
急性期病院では入院から1週間以内に方向性を決めることが多かったため、現状を把握し「回復期か?在宅復帰か?施設か?」など決める必要がありました。
特にリハビリは担当制なので、看護師や医師よりも多く情報収集し、病態を理解していることが求められていました。
そのため、医師・看護師・相談員のチームの中で連絡の仲介役を担うことが多かったと思います。
リハビリだけではなく、病棟と連携し急変などのさまざまな事象に対応する必要がありました。
また、患者様は不安を抱えていることが多く、傾聴し寄り添うことも大事な役割でした。
介入する上でのリスク
脳血管障害の患者様は発症直後は不安定な状態であり、毎日のように何かしらの検査を行っていました。
その検査結果を見て介入できる状態か?どれくらい負荷をかけて大丈夫かを判断し、必要なときは医師に安静度を再度確認することも。
常に急変リスクがあることを念頭に置き介入する必要がありました。
また、脳血管障害の患者様は他にも合併症を持っていることが多く、脳神経外科の知識だけでなくさまざまな知識を要しました。
特に必要だったのは「呼吸」に関する知識で、人工呼吸器などの機械を使用することも多かったです。
まとめ
脳神経外科病院では細かな医師の指示のもとリハビリを進めていく必要がありました。
そのためには解剖学や生理学の知識、離床時のリスク管理を身につけることが重要です。
どの病棟でも同じですが、リハビリは常にリスクを伴います。
そのリスクを回避するためにはさまざまな知識と他職種との連携が大切になります。
それでは、また!Fin.📹