私は理学療法士になって10年以上経ちましたが、自分は理学療法士に「向いてない」と感じながら仕事してきました。
ではなぜ、「向いてない」と感じるのか。
それは私が「とても敏感な人(HSP)」だからだと思います。
もしかしたら、あなたも「とても敏感な人(HSP)」かもしれません。
そんな「とても敏感な人(HSP)」についてご紹介します。
- 「とても敏感な人(HSP)」が理学療法士に向いてないと感じる理由は生まれ持った性質のせい。
- 「とても敏感な人(HSP)」の性質は理学療法士として働くうえで強みになる。
- 「とても敏感な人(HSP)」が理学療法士を続けていくためにはコントロールが必要。
理学療法士に向いてないと感じる理由
とても敏感な人(HSP)とは?
もしかしたら聞いたことがある方もいるかもしれません。
私がこのHSPであることに気づいたのは、理学療法士になって3年目の頃でした。
その時に出会った本が、「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」という本です。
この本を読んで、自分がなぜ人と違うのかを知ることができ、「理学療法士」という仕事や「自分」と向き合うことが出来ました。
⇒HSPの自分と向き合うためにはまず、自分のことを「知ること」から始めましょう。
HSPの特徴
この「とても敏感」である性質がゆえに、私は幼いころから非常に感受性が強く、とても内向的な性格で、理学療法士になってからは体調を崩すことが増えました。
とはいっても、HSPは病気ではありません。
ただ、HSPは生まれ持った性質なのです。
「自分もHSPでは?」と思う方は次の性質をcheckしてみて下さい。
- 一度に多くの情報を吸収できる
- 音やにおいなどの微細な違いも察知できる
- ゆっくり、深く多角的に考えられる
- とても慎重で、危機管理能力が高い
- 共感力が高く、気配り上手
- 誠実で、責任感がある
- 想像力豊かで、内的生活が充実している
この特徴だけ見ると、良いことばかりですよね。
「なんとなくあてはまるかも?」と思う方もいるのではないでしょうか?
HSPのタイプと診断
このHSPは大きく分けると「内向的」「外向的(好奇心旺盛で刺激を求めるタイプ)」に分けられます。
HSPの70%が内向的、30%が外向的と言われており、外向的なHSPは内向的と違い大勢のグループでいるほうが心地よいと感じる傾向があります。
HSPはこの「内向的(非HSS)」「外向的(HSS)」と「敏感で外向的な人(HSE)」を含めて4つのタイプに分けることができます。
- 非HSS型HSP(内向的で敏感な人)
- HSS型HSP(外向的で敏感な人)
- 非HSS型HSE(好奇心は少ないが敏感で外向的な人)
- HSS型HSE(敏感だが好奇心旺盛で外向的な人)
自分がどのタイプかは診断テストで簡単にわかります。
⇒「HSP診断テスト」:スコア判定、HSPであるかどうかを判定。
⇒「Questi HSP診断テスト」:パーセンテージとタイプを判定。適職診断もしてくれる。
この2つの診断で私は
「HSP診断テスト:118スコア」
「Questi HSP診断テスト:95% 非HSS型のHSP」
という結果でした。
一概にHSPといっても人によって程度の違いがあります。
HSPの問題
HSPの特徴を見る限りでは「いい性質」のように思えますが、この性質が自分を追い込むものとなりやすいのです。
私はHSPの特徴のほとんどを性質として持っていますが、マイナスに働くこともあり、以前はHSPであるために苦しむことも多々ありました。
いい性質がなぜマイナスに働くのか?
- 一度に多くの情報を吸収できる
⇒多くの情報を処理することができるため、頭がキャパオーバーになりやすく疲弊しやすい - 音やにおいなどの微細な違いも察知できる
⇒五感が優れているため、不快なもの感覚が増幅しやすい - ゆっくり、深く多角的に考えられる
⇒時間がないときに決断を迫られることにストレスを感じる - とても慎重で、危機管理能力が高い
⇒リスクを考えて行動してしまうため、スケジュールや時間管理が厳しくなる - 共感力が高く、気配り上手
⇒人に感情移入しすぎるために自分の感情にも変化が出てストレスを感じる - 誠実で、責任感がある
⇒責任感が強すぎるために達成できないときに自分を責めてしまう - 想像力豊かで、内的生活が充実している
⇒社交性が乏しく、生活に変化がない
このように「いい性質」のはずが、無意識に「ストレス」を自分に与えてしまいます。
私の場合は、疲れやすく、体調を崩すことがほとんどでした。
敏感すぎるためにHSPはうつを発症しやすいと言われています。
しかし、HSPは人によってタイプや性質の程度が違うので、HSPが全員うつになるわけではありません。
「生まれ持った性質」なのでうまく付き合っていく必要があります。
HSPと理学療法士を両立する
HSPを仕事に活かす
もしあなたがHSPであったとしても、落ち込むことはありません。
確かにこの仕事は人との関わりや責任が多く、人の人生をも左右する仕事です。
しかし、すでにこの性質は理学療法士としてのあなたの質をあげてくれているはず。
実際、私はこの性質が理学療法士の仕事に役立っていると思います。
その理由は・・・
- 一度に多くの情報を吸収できる
⇒常に周囲にアンテナをはっているので色んな情報を得やすい - 音やにおいなどの微細な違いも察知できる
⇒五感が優れているので、患者様の状態を記憶しておくことができ、変化に気付きやすい - ゆっくり、深く多角的に考えられる
⇒評価や治療を行うだけでなく、様々な視点で物事を考え進行することができる - とても慎重で、危機管理能力が高い
⇒リスクを避けるために情報収集を怠らない - 共感力が高く、気配り上手
⇒傾聴や共感により患者様との信頼関係を気付きやすい - 誠実で、責任感がある
⇒周囲からの信頼を獲得しやすい - 想像力豊かで、内的生活が充実している
⇒人が思いつかないようなアイデアを思いつくことがある
こうやって見ると、HSPの性質も悪くはないですよね!
HSPとうまく付き合う
私は自分がHSPであると知るまでは、色んな事に悲観的でした。
昔は失敗を恐れて、完璧を目指そうとすることで、少しでもうまくいかないときは反省して自分を責めるばかりでした。
しかし、HSPであると知って、「この性質を変えることが出来ないならうまく使うしかない!」と思いました。
そんな私が普段気を付けていることは・・・
- 自分も人間なのだからミスもするし、完璧は目指せないと自覚すること
- 100%の力で仕事せず、70%程ほどに力を抜く
- 体調を崩しそうなときは無理せず早めに休む
- 通勤では好きな音楽を聴いてリラックスする
- 自分の趣味を楽しむ時間を作る
特に音楽や映像作品にふれることは、HSPである私にとって大事な時間です。
音楽は周りからの不快な刺激を軽減するだけでなく、曲調や言葉の表現で気持ちを上げたり、逆に落ち着かせたりできます。
映像作品は動画配信サービスがなかった頃から大好きで、特に海外のドラマや映画は人の感情や表情の勉強になると同時に気持ちをリフレッシュさせてくれます。
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当たり前のことばかりかもしれませんが、HSPである私にとっては意識的に心がける必要があるのです。
気を付けるようになってからは少しずつコントロールできるようになってきました。
⇒HSPの自分と向き合うためにはまず、自分のことを「知ること」から始めましょう。
まとめ
今回は、「理学療法士に向いてないと感じる理由」について3つのポイントをお話ししました。
- 「とても敏感な人(HSP)」が理学療法士に向いてないと感じる理由は生まれ持った性質のせい。
- 「とても敏感な人(HSP)」の性質は理学療法士として働くうえで強みになる。
- 「とても敏感な人(HSP)」が理学療法士を続けていくためにはコントロールが必要。
HSPは生まれ持った性質です。
うまく付き合っていければ、理学療法士として他のセラピストと差別化でき、自分の能力を十分に発揮することが出来るのではないでしょか。
理学療法士が向いてないと思っている私でも10年間続けてこれたので、もしあなたがHSPだったとしてもうまく付き合う方法はあると思います。
みなさんが心穏やかに仕事に打ち込めるよう願っています!
それでは、また!Fin.📹